
イタリアのクラリネット奏者と聞いてあまりピンと来ないかもしれないが実は名手が多い。
有名なのはクラウディア・アバドとともに活躍したアレッサンドロ・カルボナーレだと思う。
現在はサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団で活躍するカルボナーレだが、フランスで活躍していた時期もあり、楽器はセルマーのレシタルをずっと使っている。


ドイツ系のオーケストラにもイタリア出身の名手が活躍している。
たとえば、ハンブルクのNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団の首席であるガスパーレ・ヴィットリオ・ブオノマーノはイタリアのコゼンツァの生まれだし、元ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で現在チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の首席を務めるカロジェロ・パレルモもイタリア出身だ。
そんな数多いイタリアの名手の中から今回ご紹介するのは、ローザンヌ室内管弦楽団の首席クラリネットであるダヴィデ・バンディエーリが演奏した、フランス6人組のクラリネット作品を集めた1枚だ。
20世紀前半フランスで活躍した作曲家の集団「フランス6人組」のうち、デュレを除くプーランク、ミヨー、オーリック、タイユフェール、オネゲルの作品が演奏されている。
特にオーリック、タイユフェールの曲を聴く機会は少ないので、その意味でも貴重だ。
フィレンツェ生まれのバンディエーリはイタリア中心に学び、前述のカルボナーレからも教えを受けているようだ。

CDでの演奏はフランスのエスプリを感じさせる派手すぎない演奏で、木質感のある高音が魅力的だと思う。
個人的には好きなミヨーの作品が聴けるのがうれしい。
一気に聴きとおせてしまう、オシャレな1枚だ。
このCDは最近入手したのだが、今回調べてみると残念ながら大手のサイトでは現在入手できないようだ。
どこかで見かけたら手に取ってみてください。


また、バンディエーリのCDはほかにも出ている。
興味のある方はどうぞ。

それではまた。
